愛知県のセントレア空港では全国でもここでしか見られない飛行機があります。
それはアメリカの世界最大ジェット機メーカーのボーイング社が開発した「ドリームリフター」。
全長は72メートルもあり、一般的な飛行機と比べてもかなり大きい飛行機で途中から大きく膨らんだ太いボディが特徴です。
ドリームリフターが運ぶのは飛行機のパーツ
ドリームリフターが運ぶのは最新ジェット機ボーイング787の胴体なんです。
巨大なジェット機を一か所の場所で全て製造するには膨大な敷地と人件費が必要です。そこでボーイング社は胴体や翼など各パーツを世界各地の高い技術を持つ企業に分業してコストを抑えています。
日本はビジネスクラスや搭乗口のある胴体の前半部分を川崎重工が担当しています。
完成したらドリームリフターでアメリカに輸送し、そのあと一気にジェット機に組み立てられます。
パーツの繋ぎ目がなくなり強度がアップ
もともと飛行機のパーツは船で輸送していたのですが、これが近年胴体パーツの大型化によりドリームリフターによる空輸に変わりました。
従来アルミが使われた胴体には水平方向の繋ぎ目があったのですが、最新のボーイング787の胴体はパーツ全体に繋ぎ目が全くありません。そのため強度が非常に高くなっています。
それを可能にしたのは日本が開発した「炭素繊維複合材」で鉄の10倍の強度を誇ります。
この炭素繊維複合材を何層にも重ねて成形し、巨大なオーブンのような装置で高温高圧で約半日加熱すれば継ぎ目のない筒状のボディが完成します。
継ぎ目がなくなったことで胴体の強度が増し、窓の面積が30%も大きくなったのに加え、炭素繊維複合材は錆びないため従来の金属の飛行機ではできなかった客室内の強い加湿も可能になりました。
飛行機特有の乾燥した空気が改善されました。