大きな船を見てみると、船の下の部分は「赤い」色になっています。これは、デザインで赤く塗っているのではなく、「赤く塗らないとダメな理由」があるんです。
その理由は”船底の赤い色が船をスピードアップさせているから”なんです。
そもそも船の塗装は「サビ」や「腐食」を防ぐのが目的があるんですが、船底をあえて赤くカラーリングするのには、それ以外にも明確な理由がありました。
塗料の酸化銅でフジツボが付かなくなるから
港で船を泊めている時に放っておいたら、「フジツボ」とか「カキ」などといった「色んなモノ」がくっついてしまいます。船の底の赤色は「亜酸化銅」が塗られています。昔は「有機すず」を使っていたんですが、これは海にダメージを与えてしまうために使用禁止になりました。
船底の赤色は、「フジツボ」がくっつかなくなる成分が徐々に溶けて出ています。当然、「フジツボ」がくっつかなければスピードが維持できるというわけなんです。
デイゴケンイチ
亜酸化銅の効果が続くのは2年半で、寿命が来る前に塗り替えています。
船の「トン」は重さの単位ではない
「トン」は重さではなく「総トン数」という体積を表す単位になっています。
「総トン数」は船の中にどれだけ荷物を入れる空間が空いているかということなんです。もともと船で「樽」を運んでいて、「樽」を叩くと「トントン」と音がしたことから「トン」という単位が使われているといわれています。