2017年までに世界遺産総数は1073件(文化遺産832、自然遺産206、複合遺産35件)あり、各国が登録を目指してアピール活動しています。

そんななか、ドイツにはたった1つ世界文化遺産登録を取り消された街があるんです。

ドレスデン

たったひとつの橋が原因

世界文化遺産登録を取り消された街とは、ベルリンの南200kmにあるドレスデンです。

中世の趣を伝える美しい街並みと、街の中心を流れるエルベ川との景色の調和が見事な街で、隣街には18世紀にヨーロッパで初めて硬質磁器を作って栄えたマイセンがあります。

その繁栄に一役買ったのが、水運輸送の要所「エルベ川」でした。ドレスデンを訪れる人を圧倒する長さ100mもの大きなモザイク壁画も、すべてマイセン産磁器タイルでできています。

ドレスデン宿泊者数

世界文化遺産に登録されてからは、観光客も増加していきました。

そんなドレスデンがなぜ文化遺産の登録を取り消されたのかというと、原因はたったひとつの建造物にあったんです。

その建造物とは、全長635mのヴァルトシュロッセン橋になります。ユネスコは、景観の変化を世界遺産活動の中で認めていません。つまり、一度登録すれば「世界遺産を守りなさい」ということなんです。

  • 橋がエルベ川の景観を損ねたとして、2009年に世界文化遺産登録を抹消

橋の総工費は約240億円にもなりますが、わざわざ巨額を投じてあだとなり、世界文化遺産の称号を失ってまで橋を建設したのには、住民の切実な願いがあったからなんです。

ドレスデン住民の覚悟

ドレスデンは、川の南側は住宅地で北川は向上など会社が多くある場所になっています。ヴァルトシュロッセン橋が出来る前は、2kmほど離れた橋まで遠回りする必要がありました。市民の生活にはヴァルトシュロッセン橋が必要だったんです。

橋の建設を問う住民投票の結果は、3分の2の人が賛成でした。ドレスデン住民は、世界文化遺産登録を取り消される覚悟で、橋の建設に賛成したんです。

デイゴケンイチデイゴケンイチ

ちなみに観光客は、2009年に世界文化遺産登録抹消後も増加しています。